サヒメル科学探検隊

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活動報告

第5回活動 生きものの数を調べるには?/1年間の活動発表

概要

日  時 2024年11月10日(日) 10:00~16:00
活動場所 三瓶自然館サヒメル
参 加 者 12名(欠席8名)
活動内容 午前中は生き物の数をテーマに、野外で暮らす生き物の個体数を把握することが難しい理由と、個体数がわかることで役に立つことについて、事前に調べてきたことを発表してもらいました。その後、生き物の数を推定する方法についていくつか学び、代表的な方法の1つとして標識再捕獲法と呼ばれる推定方法を生き物の代わりにおはじきを使って体験しました。全ての数がわからなくても一部の数の採集を繰り返すことで、全体の数を推定できることがわかりました。午後からは午前中の活動を日誌にまとめた後、1年間の活動の仕上げとして、隊員たちがそれぞれ活動したテーマから1つを選び、新聞形式に内容をまとめる作業を行いました。活動の最後に新聞にまとめた内容を保護者の前で発表し、活動を終えました。

 

活動報告

10:00~10:40 始まりの会、課題の発表 
まずは課題の発表です。最初に野生の生き物の数を調べることが難しい理由について、発表してもらいました。野生個体を調べるには、個体の見分けが容易ではないこと、生息地に行くことや個体を見つけることが難しい場合があること、出会うと危険な生物もいるなど、さまざまな要因で簡単には数えられないことを理解しました。しかし、個体数がわかると良い点については、絶滅危惧種や外来種、害獣となる可能性のある生物や植物などの数をや変化を把握することで、的確に対策や対応を取ることができることが挙げられました。

 

10:40~12:20 生き物の数を調べるには?
正確な数を調べるのが難しい場合、おおよその個体数を「推定」することになります。野外で暮らす生物がどの位いるのかを明らかにするために、個体数を推定する方法はいくつも考えられていて、どの方法を用いるのかはどんな生物を数えるのかによって使い分けられています。いくつかの方法を紹介した後今回は、一部個体を採集して標識をつけて放し再度採集して標識の有無の割合から全体の個体数を推定する「標識再捕獲法」と呼ばれる方法を室内で体験しました。この方法は、1回目に採集した個体数を数え標識をつけて戻し、2回目に採集した時に標識のある数とない数の割合から全体の数を計算して推定します。
最初は数がわかる状態で、ホワイトボードに色の異なるマグネットを貼って調査方法を解説し方法を理解した後、みんなに挑戦してもらいました。使用した物は、中身が見えない箱とたくさんのおはじきです。班ごとに採集の代わりに箱に手を入れておはじきを掴み取り、その中に標識のあるおはじきとないおはじきの数を数えて全体の標識数と比較することで全体の数を計算し推定してみました。推定した数は実際の数に近い数字になり、全体の数がわからなくても一部の数を複数回数えることで全体の数を推定できることを体験的に学ぶことができました。実際に野外でこの調査を行うにあたって注意しなければならないことも考えてもらい、どんな標識をつけるかや採集数、調査する生物の生態や調査範囲などを理解しておかないとうまく推定できないことも学びました。

 

 

 

 

 

 

 

 

12:20~13:05 昼食休けい

 

13:05~13:30 活動日誌をかこう
午前中の活動を活動日誌に書きました。実際には野外で行う調査を模擬的に複数回室内で実施したため、調査方法は理解しやすかったようです。すぐに活動の内容と様子、感想を文章とスケッチでまとめていました。隊員の一部は、活動日誌よりもみんなはこの後に行う新聞作りの方が気になるようで、早く終えた人は新聞の作り方を質問したり内容を考え始めていました。

 

13:30~15:05 探検隊新聞をつくろう 
ここからは、今年度の活動のまとめとして探検隊新聞を作りました。隊員がそれぞれ活動したテーマから1テーマを選び、新聞形式にまとめます。テーマを決めたら、新聞に書く内容をワークシートを使ってまとめ、新聞の形式に活動内容を清書して作成しました。あっという間に時間が過ぎ、最後はギリギリまで時間に追われる隊員もいましたが、みんながんばって内容をまとめ新聞を完成させることができました。完成後はボードに掲示して、発表の準備をしました。

 

15:05~15:35 活動発表
完成した新聞を使って、1人ずつ順番に自分が選んだ活動を新聞にまとめた内容に沿って発表してもらいました。特に活動を通じて感じたこと、興味を持ったことについては自分の言葉でしっかり発表できている人が多かったと思います。活動内に参加していない保護者にもわかるよう、簡潔に文章にまとめ発表する作業は、普段の活動とはまた違った難しさや緊張があったと思いますが、よい経験になったのではないでしょうか。人前での発表の上達には慣れも必要ですので、ぜひこの経験を次に生かしてほしいと思います。お忙しい中ご参加頂いた保護者の皆様、ありがとうございました。
全員の発表が終わると、発表前の緊張した様子から一転、安堵と達成感でほっとした様子の隊員たちでした。

 

 

15:35~16:00 修了証書授与、今年度の活動終了
これで今年度のサヒメル科学探険隊の5回の活動はすべて終了しました。修了証書の授与を行い、隊長から1人1人に修了証書を受け取りました。隊員の皆さん1年間の活動お疲れさまでした。
サヒメル科学探検隊で学んだり体験した活動はもちろんですが、同じ興味をもつ普段は別々の学校に通う仲間と一緒に刺激しあって活動できた経験が、隊員みんなの科学的好奇心をさらに伸ばしてくれるのではと期待しています。
今年度の活動は終了しましたが、また普段の生活の中でで興味を持ったことがあれば、ぜひ自分で調べたり体験したりしてみてください。またサヒメルでは今後も企画展やイベント等開催していますので、ぜひ活用してほしいと思います。

第4回活動 大学の研究者と一緒に活動!大きな樹木はどのように育ってきたのか調べよう

概要

日  時 2024年10月20日(日) 10:00~16:00
活動場所 三瓶自然館サヒメル、島根大学三瓶演習林
参 加 者 18名(欠席2名)
活動内容 今回は島根大学の三瓶演習林に出かけて活動しました。午前中は、島根大学の先生の解説を受けながら1992年に植樹したスギの木の伐採を見学し、伐採したスギの樹高の測定と枝払い、1mごとの幹の切り出し作業をみんなで行いました。午後からは室内で切り出した輪切りを使い、スギの木の年輪の半径をみんなで手分けして測定しました。その後、みんなの測定データを集計しグラフに記入して、木がどのように大きく成長したのか確認しました。最後に先生に年輪のでき方やグラフを見ながら木の成長の仕方の特徴について説明を受け、活動を終了しました。

 

活動報告

10:00~10:30 始まりの会、三瓶演習林へ移動
三瓶自然館に集合し、本日のスケジュールを確認した後、前回出していた課題から、年輪の特徴や年輪から何がわかるのかについて発表してもらい、木の年齢はもちろん、過去の木の成長の様子もわかることを確認しました。その後、みんなでサヒメルのバスに乗り込み、島根大学が管理し今回の会場である三瓶演習林へ移動しました。

 

10:30~12:15 実習1「木を切りたおそう」
三瓶演習林では、島根大学の先生3名(山下先生、尾崎先生、斉藤先生)に指導頂きました。まず、林内で安全に活動できるよう長靴にヘルメット、そして軍手を身に付けます。そして演習林の中に入り、尾崎先生に植樹されたスギ林でスギの伐採(間伐)の方法を教えてもらいました。安全に伐採するため、切り倒す方向を決めた後に受け口と追い口と呼ばれる切り込みを入れ、伐採することを教わり、先生がチェーンソーで切り込みを入れます。その後、木に結んだロープをみんなで引っ張り見事切り倒すことができました。倒した木は手分けしてノコギリを使って枝を切り払い、メジャーで樹高を測定しました。樹高は16.1mありました。
倒した木の幹に1mごとに印をつけ、2人1組になって幹を切断する作業をみんなで行いました。根元に近い部分が担当になった組ほど幹が太く、切り終えるのに苦労していましたが、交代しながら作業を続け全員少なくとも1ヶ所以上切断することができました。

 

12:15~13:00 昼食休けい

 

13:00~14:50 実習2「年輪を数えて測ってみよう」
午後からは室内にて、木の成長の仕方を調べるため年輪の半径の計測に挑戦しました。山下先生から測定方法を教えてもらい、午前中に伐採したスギの木を1mごとに切り出した輪切りの円板16枚を4班で分担し、全ての円板の年輪の半径を測りました。年輪の中心は幹の中心に位置しているとは限らないため、年輪の中心からの半径を上下左右4ヶ所測らなければならず、測定箇所がたくさんありました。測定する部分がわかりやすいよう、まち針を年輪に刺して目印にして測る方法を教わりましたが、外側の年輪ほど幅が狭く線も細いため識別しにくく、みんな計測にかなり苦労しながら取り組みました。
測定した4ヶ所の半径データの平均を取り、先生がデータを取りまとめてボードにグラフを描き、伐採した木がどのように成長したのか、解説してもらいました。グラフからは10年前から幹の太さは数センチほどしか大きくなっていないこと、木の高さは、10年前からは4m以上、5年前からは1.5mほど伸びていて少しずつ成長スピードが遅くなっていることがわかりました。樹齢は34年でした。

 

14:50~15:40 まとめ、活動日誌をかこう
山下先生から、年輪の幅の違いからその木の成長スピードだけでなく、複数の木の年輪の傾向を調べることで当時の気候がわかることなどの説明がありました。隊員からは年輪のない木があるのかや広葉樹と針葉樹での木の硬さや成長スピードの違いについて質問があり、先生に教えて頂きました。

 

15:40~16:00 次回の案内、終了
次回の活動スケジュールと課題について説明した後、バスでサヒメルへ戻り、今回の活動を終了しました。次回は11月10日(日)にサヒメルで実施します。今年度最後の活動になります。

第5回の活動日 11月10日(日)10:00~16:00

第3回活動 さんべ縄文の森ミュージアムの見学と水の生きもの観察

概要

日  時 2024年9月8日(日) 10:00~16:00
活動場所 三瓶自然館サヒメル、さんべ縄文の森ミュージアム
参 加 者 15名 欠席5名
活動内容  今回はさんべ縄文の森ミュージアムの見学と池の生き物の観察です。午前中は、今日の活動内容に関連したテーマで噴火に関すること、そして池にいる生き物の種類や池にはなぜ絶滅危惧種が多いのかについて調べたことを発表し、みんなで学びました。午後からはバスでさんべ縄文の森ミュージアムへ出かけ、ミュージアムのスタッフに埋没林の成り立ちや特徴、保存方法について解説を受けました。その後はミュージアムの屋外にある池で生き物を観察、いろいろな生き物を採集し種類を調べて記録しました。サヒメルに戻った後に、本日の活動内容を活動日誌にまとめました。

 

活動報告

10:00~10:45 始まりの会、課題の発表
今日の活動予定について、スケジュール表を見ながら予定と持ち物を確認した後、課題の発表をしました。昔、山が噴火したことがなぜ分かるのかについては、火口湖や火山岩、そして地層を調べることで噴火した証拠を確認できると発表があり、そして三瓶山もかつて噴火した山であり、今日見学する埋没林は三瓶山が昔どれくらい大規模に噴火したのかがわかる証拠でもあることなど学びました。また、池の生き物については、いくつも生き物の名前が挙がり、さまざまな分類群の生き物が池に暮らすことを確認しました。そして、減少している理由については、乱獲や排水、埋め立てや改修、そして外来種の影響などの意見がありました。いずれも人間の活動が関係し、複数の要因が理由となって、池の環境が変化しやすく、そこに暮らす生物の生息が危ぶまれる状況になりやすいことも学びました。

 

10:45~11:20 水の生き物の特徴を知ろう 
池に暮らす水生昆虫であるゲンゴロウの仲間、ガムシの仲間、アメンボ類、そしてマツモムシなどの見分け方について資料を見ながら学びました。マツモムシは知らない人が多かったようですが、逆さまな姿で泳ぐこと、そして採集する際に不用意に手で掴むと口で刺すことがあるので注意しなければならない昆虫の1つです。
水生昆虫には、ヤゴやカゲロウなど幼虫の間だけ水の中で過ごす種類も多く、季節によっても見られる生物が変わることなど、水生昆虫の生態の特徴を学んだ後、午後から行う調査方法や記録方法を説明し、午前の活動に備えました。みんな池でいろいろな生物を見つけることが楽しみな様子でした。

 

11:20~12:15 昼食休けい
昼食休けい時間の終わりにサヒメルの夏の企画展「THE 蜂」を見学し、第1回の活動でみんなが作成したキイロスズメバチの標本が展示している様子を確認しました。みんなどれが自分が作った標本かを探していました。

 

12:15~12:30 サヒメルバスでさんべ縄文の森ミュージアムへ移動

 

12:30~13:00 さんべ縄文の森ミュージアムの見学 
さんべ縄文の森ミュージアムでは、スタッフの中山さんの案内で展示の解説を受けました。ここは4,000年前に三瓶山で起きた噴火によって埋もれた木が発見された場所で、国の天然記念物にも指定されています。サヒメルに展示している埋没木もここから運ばれてきたものです。現地では、いくつもの埋没木が埋もれた時の姿のまま展示されています。
中山さんからは埋没林が発見された経緯や、なぜ噴火で埋もれたことが分かったのか、見つかった木の種類、木の大きさや樹齢、噴火の様子、そして現在どのように埋没木を保存展示するために作業を行っているのか、について詳しく説明を受けました。
半数近くの隊員が初めて訪れたということで、噴火した当時のまま長い間埋もれていた木の保存状態の良さを触れて確認したり、樹齢600年を超える木の大きさや年輪の様子、そして当時の噴火の規模に驚いたようでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

13:00~14:45 池の生き物を観察しよう 
さんべ縄文の森ミュージアムの展示棟を出て、敷地内にある池での生き物観察を行いました。4つの班に分かれて、まずは池に生き物がいるかどうか目視で探索しました。池の周囲を歩きながら見ていくと、タニシやカワニナ、そしてミナミメダカの群れ、さらにゲンゴロウの仲間やミズカマキリ、マツモムシも見つけることができました。生き物がいることを確認した後は、みんなで小さな網を使って生き物を採集し、班ごとに採れた生き物を白いトレイに入れていきました。そして捕まえた種類を確認し、記録用紙に記入していきました。
とても暑い1日でしたがみんなとても頑張って活動を行い、こちらの想像以上に多くの種類の生物を見つけることができました。隊員たちは、目視で確認できているのに捕まえることができていない種類を採集しようと、終了時間ギリギリまでチャレンジしていました。

 

14:45~15:00 サヒメルバスでサヒメルへ移動

15:00~16:00 活動日誌をかこう、次回の活動紹介
サヒメルへ戻り、池で確認できた生き物を発表してもらいました。10種類以上採集することができましたが、見つけたのに採集できなかった生き物もいました。小さな池ですが、実際にはもっと多くの生き物がこの池に生息しているはずです。外来の生物も見られず、園内の池なので環境も安定しているようです。
この池はさんべ縄文の森ミュージアムが建った後に作られた池で、ミナミメダカ以外の生き物はすべて周囲の環境から飛んできたり移動してきたものです。おそらく周辺の田んぼや池にも今日見た生き物が生息する環境があり、そのためこの池にもさまざまな生物が見られたのでしょう。
この後、今日の活動内容を思い出して活動日誌にまとめました。スケッチでは印象に残った埋没林や池での調査の様子、見つけた生き物を描いていました。今回は4,000年前の三瓶山の様子と現在の三瓶で見られる水生生物を学ぶことが出来ました。また皆さんが住んでいる周りでも水辺があれば、安全に注意して自然の様子も観察してみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

次回、第4回の活動は10月20日(日)です。島根大学が調査研究活動を行っている三瓶演習林へ出かけ、島根大学の先生の指導の下、森の木を切って木の成長の仕方を年輪を測定して調べる活動を行う予定です。

第4回の活動日 10月20日(日)10:00~16:00
集合場所:三瓶自然館レクチャールーム

第2回活動 コケの中の生きものとクマムシの採集と観察

概要

日  時 2024年6月23日(日) 10:00~16:00
活動場所 三瓶自然館サヒメル、北の原
参 加 者 18名 欠席3名
活動内容 コケの中で見られるクマムシや小さな生き物の観察です。午前中にクマムシについて調べてきたことについて、みんなが発表し、特徴や大きさについて理解した後、コケに潜む生き物を採集する装置であるベールマン装置を作成し、コケを装置にセットしました。午後からは前回作成し乾燥させていた自分たちのハチの標本を、標本箱へ移しました。その後、顕微鏡の使い方を学んでからベールマン装置で集めた水や砂粒の中から顕微鏡を使って、クマムシや小さな生き物を探しました。最後に1日の内容を活動日誌にまとめ、感想を発表しました。

 

活動報告

10:00~10:45 始まりの会、課題の発表
まずは今日の活動予定についてスケジュール表を見ながら確認した後、課題の発表をしました。興味深い特徴が知られているクマムシについて、隊員のみんなもたくさん調べてきてくれました。何の仲間なのか、どんな形で大きさはどれくらいなのか、そしてどんな場所で暮らし、どんな生態をしているのか、調べてきた内容でホワイトボードいっぱいになりました。クマムシは、隊員も名前は知っているけど見たことのある人はおらず、観察前にどんな生き物なのか、みんなで理解することが出来ました。

 

10:45~12:15 ベールマン装置の作成と顕微鏡の使い方を学ぼう
野外でコケを採取する予定でしたが、雨が降っていたので野外での活動は中止とし、前日にスタッフが採っておいたコケを使いました。
コケの中の生き物を調べるために、ペットボトルを加工してベールマン装置を作りました。ベールマン装置は水の中に暮らす小さな生き物を集めるための装置です。実はクマムシを含むコケの中の生き物の多くは、コケが水を含んでいる状態で活動する生き物です。装置の仕組みを学んだ後、ペットボトルを切ったり、ネットを付けたりして装置を作成し、コケと水を入れセットしました。このまましらばく置いて、生き物が下側へ出てくるのを待ちます。
この後、観察で使用する顕微鏡の使い方を練習しました。初めて使う人もいたため、目の幅やピントの合わせ方など正しい使い方を確認して、午後からの観察に備えました。

 

12:00~12:45 昼食休けい

 

12:45~13:30 ハチの標本を完成させよう
ここで、前回展足作業を行ったハチの昆虫標本を台から取り外し、標本箱へ移す作業を行いました。前回作成したときは、まだやわらかかった標本も1ヶ月乾燥させたので、もう脚や触角も動かすことができず、誤って触れると折れてしまうことがあります。壊さないよう注意しながら、自分で作った標本を取り外し、標本箱へ移してきました。並べられた標本は他の展示標本とともに夏から始まる、夏の企画展「THE 蜂」の中で一緒に展示する予定です。

 

13:30~15:00 クマムシを探してみよう
ベールマン装置の底にたまった砂粒の混じった水を取り出し、各自で顕微鏡にセットして、観察を始めました。まずは何か生き物がいないか顕微鏡の下で探します。最初は「何もいない」という人もいましたが、そのうち動くものを見つけ始め、集中して小さな生き物がいないか観察しました。線虫の仲間やユスリカの幼虫、ダニの仲間、そしてクマムシを見つけている人もいました。見つけたクマムシは倍率200倍にできる顕微鏡に移動し、活発に動く1ミリメートルに満たない小さなクマムシの様子を大きく拡大してみんなに観察してもらいました。

 

15:00~16:00 活動日誌をかこう、次回の活動紹介
今回も今日の活動内容をまとめ、活動日誌に記入しました。強い雨の降った1日でしたが、館内で1日しっかり活動することができました。日誌にはベールマン装置や顕微鏡を書いたり、見つけた生き物のスケッチを描いたりして内容を記録しました。感想では、小さなコケの中にもいろいろな生き物がいること、クマムシがとても小さかったこと、自分の住んでいる周りでも探してみたいなどの意見がありました。

 

次回の活動は9月8日(日)です。さんべ縄文の森ミュージアムに出かけ、館内の見学と園内の池に暮らす生き物を観察して調べる野外活動を行う予定です。

第3回の活動日 9月8日(日)10:00~16:00
集合場所:三瓶自然館レクチャールーム

第1回活動 国立公園で自然観察/学芸員の仕事体験

概要

日  時 2024年5月26日(日) 10:00~16:00
活動場所 三瓶自然館サヒメル、北の原
参 加 者 21名
活動内容 第1回目サヒメル科学探険隊の活動。サヒメル科学探険隊の活動目的を紹介した後、参加者全員に隊員証を渡して活動を開始しました。午前中は4つの班に分かれて館内でワークシートを使って展示を見学、その後は野外に出かけ三瓶さんが国立公園であること、活火山である三瓶山の岩石や北の原で見られる動植物を観察しました。午後からは博物館で働く学芸員の仕事体験として、博物館に標本がある理由を学び昆虫標本づくりに挑戦しました。最後に今回の探険隊の活動を活動日誌にまとめ、第1回の活動を終了しました。

 

活動報告

10:00~10:30 始まりの会

今年最初のサヒメル科学探険隊の活動が始まりました。今年は隊員21名で活動を行います。サヒメル科学探険隊の活動目的や担当する隊長、副隊長を紹介した後、参加者にサヒメル科学探険隊の隊員証を1人1人に渡しました。その後、隊員みんなが1人ずつ自己紹介をしました。
今年も県内外のさまざまなな地域から参加があり、生物や鉱物などいろいろ興味をもつ子供たちが集まりました。1年間一緒に活動をしていきましょう。

 

10:40~11:10 サヒメルの館内見学
最初の活動は4班に分かれて、班ごとに館内の展示を見ながらワークシートを解きました。始めてサヒメルに来た参加者もいたため、班で一緒に行動しながら館内の配置を理解しつつワークシートの問題を展示を見ながら解いていきました。企画展示室の展示はちょうど今日が期間最終日で、鳥に関連した展示をしっかり学ぶことができました。全問解けたら新館4階に集合し、みんなで答え合わせをしました。

 

11:20~12:15 国立公園を知ろう
この時間は地学担当の今井学芸員も加わり、館内にある立体模型で三瓶山が国立公園に含まれていることを確認した後、野外へ出かけました。北の原にある大きな岩がデイサイトと呼ばれる火山由来の石であること、観察するとその石の中に斜長石や黒雲母など小さな鉱物がたくさん含まれていることを教えてもらいました。その後は姫逃池のカキツバタを観察したり、池の周りで見られる生物を探しながら、国立公園の自然を学びました。

 

12:15~13:00 昼食休けい

 

13:00~15:00 学芸員の仕事を体験しよう
午後からは今回のメインの活動である学芸員の仕事の1つを体験しました。まず博物館にはたくさんの標本やはく製がありますが、その理由ついてみんなに考えてもらいました。博物館では展示はもちろん、調査や研究のために標本を作成し活用しています。今度のサヒメルの夏の企画展はハチがテーマのため、今回はみんなにスズメバチの標本づくりにチャレンジしてもらいました。標本づくりに使用する道具類を1つ1つ紹介し、作り方を学んでから、標本づくりに取り組みました。
虫に針を刺すところから形を整える展足作業まで、いくつも注意しなければならない点があり、ほとんどの隊員が初めての体験で苦戦していましたが、みんな集中して取り組み1匹ずつ標本を作成していきました。今回みんなが作った標本はサヒメルでの展示で使用すると聞いて、みんな根気よく標本作りに挑戦し、何匹も作成している人もいました。作った標本は1ヶ月ほど乾燥させ、次回の活動で標本箱へ並べ替えて完成させる予定です。

 

15:00~16:00 活動日誌をかこう
今回活動した内容を活動日誌に文章とイラストでまとめました。みんなからは、針を刺すのは勇気がいった、標本づくりは難しかったがやってみると楽しかった、初めてスズメバチをこんなに観察したなどたくさんの感想がありました。この活動を通じで、博物館に展示されている標本にさらに興味をもって見てもらえれば嬉しいです。最後に次回の活動スケジュールを紹介し、第1回の活動を終了しました。
第2回の活動はクマムシの観察を中心に活動する予定です。とても小さな生き物の観察になりますので、次回の活動も頑張りましょう。

 

第2回の活動日  6月23日(日)10:00~16:00
集合場所:三瓶自然館レクチャールーム